公共財

 公共財とは、多くの人々が同時に不自由なく利用することが出来る財のことを指します。公共財という言葉自体は広く知れ渡っており、想像するに難くないと思います。家の近くにある公園や、公衆トイレはもちろん公共財に該当します。誰でも無償で利用できるすべての財・サービスは一般に公共財と呼ばれます。

しかし、公共財の定義は厳密には何なのかを答えようと思ったら、そうは簡単にいきません。経済学において、公共財は純粋公共財と準公共財の2つに大別されます。また、そのキーワードとなるのが、「非競合性」と「非排除性」です。

 純粋公共財

純粋公共財とは、非排除性非競合性のどちらの性質も有する財・サービスのことです。簡単に言えば、誰でも消費することができ、かつ、その消費が他の人の消費に影響を与えない財を指します。以下、純粋公共財の持つその2つの性質について詳しく説明します。
誰でも消費することが出来るというのは、金銭などの対価が不要であるもの、ということを想定すれば良いと思います。世の中のほぼ全ての財は価格の設定により、購入することが出来る人は限定されています。高い財を買おうと思えば、それに見合った対価である大金を準備しないといけません。つまり、その財は所得の高い人物しか消費を許さないのです。
また一方で、価格の高い財に限らず、価格の低い財であっても、所得の乏しい人にとっては購入が難しいものもあるので、誰でも消費できるとは言えません。
すなわち、価格の設定はお金を持たない人を排除することが出来ます。この性質を排除性と呼びます。反対に、お金を持たない人でも、つまり誰でも消費できる性質は非排除性と呼ばれます。
その消費が他の消費に影響を及ぼさないというのは、その財の数量が限られていないということだと考えれば良いと思います。大抵の財は数量が有限であるため、その消費によって他の人が消費できる量が少なくなってしまいます。
例えば、ケーキ屋さんに並べられているケーキを考えてみましょう。そこのケーキを1日に大量に買えば、他の人はそこで買えるケーキがほとんどなくなってしまいますよね。
このように、ある人の消費が他の人の消費を減らしてしまう性質を競合性と呼びます。反対に、ある人が消費をしても他の人に全く影響を与えない性質を非競合性と呼びます。
代表的な例として、「空気」や「国防」が挙げられます。
空気は誰でも消費することができますし、どれだけ消費されたとしても尽きることはありません。また、国防に関しましても、政府は全国民を守ろうとするので、国民は例外無く「国防」の消費を無限にすることができ、さらに他人の「国防」の消費を妨げることはありません。
つまり、繰り返しになりますが、純粋公共財は、非競合性と非排除性を兼ね備えた財であると定義されています。

準公共財

準公共財とは、非競合性か非排除性のいずれかの性質を持つ財を指します。つまり、非競合性と排除性を持つ財か、競合性と非排除性を持つ財を準公共財のことです。

さらに、非排除性のみを有する財を共有資源と呼びます。
例えば、海や川にいる魚は共有資源です。海や川の魚は対価を支払わずに手に入れることができますが(非排除性)、ある人が多く釣るとほかの人の釣れる量は減少するからです(競合性)。
一方で、非排除性と非競合性を持たない財を私的財と呼びます。
私たちの周りにあるほとんどの財は私的財で、小売店やインターネットなどで販売されている財は全て私的財です。なぜなら、何れの財も対価となるお金が必要ですし、他の誰かが消費すれば消費できる個数は減少してしまいますよね。
経済学では、ほとんどのモデルが私的財を対象として作られています。
復習はこちら⇒理解度チェック
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