参考記事→ライフサイクル仮説
(問)Aは現在40歳で、毎年500万円の収入があり、60歳まで働く予定である。また、現時点で1000万の貯蓄がある。Aの寿命は80歳であり、今後20年間は同額の所得を得て、その後は所得が無いものとする。Aが毎年同額の消費を行うとすれば、Aの限界消費性向、平均消費性向はいくらになるか。
なお、利子率は0であり、Aは遺産を残さないものとする。
(解)
ライフサイクル仮説の問題なので、生涯の所得=生涯の消費となることを利用します。
まず、生涯の所得を求めます。限界消費性向を求めなければならないことに注意して、年収をYとおくと、
生涯の所得=勤労年数×年収+資産=20×Y+1000=20Y+1000
次に、生涯の消費を求めます。毎年の消費額をCとおくと、
生涯の消費額=生活年数×毎年の消費額=(80ー40)×C=40C
生涯の消費額=生涯の所得より、
40C=20Y+1000 ⇔ C=0.5Y+25・・・(#)
よって、限界消費性向は0.5となります。
続いて平均消費性向を求めます。(#)の両辺をYで割ると両辺をYで割ると、
C/Y=0.5+250/Y=0.5+25/500=0.5+0.05=0.55
これより、平均消費性向は0.55であることが分かります。