問題
ある消費者の無差別曲線がU=xyで表されるとする。この消費者が3000円の予算でX財、Y財の2財を購入するものとし、X財の価格は300円、Y財の価格は600円であるとする。
この場合において、効用最大化を達成するX財の最適購入量x’はいくらになるか。
さらに、X財の価格が600円に上昇したとき、最適購入量の変化分はいくらか。
解法 ①
まずは当初の予算制約線を導出します。予算が3000円、X財の価格が300円、Y財の価格が600円であることから、予算制約線は
3000=300x+600y
となります。
これをyの一次関数になるように整理すると、
y=-0.5x+5
そして、この式を効用関数U=xyに代入すると
U=xy
=x(-0.5x+5)
=-0.5x^2+5x
効用が最大となるのはU’=0となるときなので、
U’=-x+5=0 ∴ x’=5
次にX財の価格が上昇した場合を考えます。
X財の価格が600円に上昇したときの予算制約線は
3000=600x+600y
⇔y=-x+5
そして、この式を効用関数U=xyに代入すると
U=xy
=x(-x+5)
=-x^2+5x
効用が最大となるのはU’=0となるときなので、
U’=-2x+5=0
∴ x=2.5
当初の最適購入量x’=5であることから、最適購入量の変化分Δx’は
Δx’=5-2.5=2.5
解法②
まずはMUx、MUyを求めます。
MUx=∂U/∂x=y , MUy=∂U/∂y=x
ここで、加重限界効用均等の法則を用います。
Px=300,Py=600であるので、
MUx/Px=MUy/Py
⇔y/300=x/600
⇔y=0.5x
そして、①と同じなので予算制約線の計算方法は省略しますが、予算制約式と連立して、
0.5x=-0.5x+5
⇔ x’=5
となります。
Px=600、Py=600のとき、多重限界効用均等を用いると、
MUx/Px=MUy/Py
⇔y/600=x/600
⇔y=x
予算制約式と連立して、
x=-x+5
∴ x=2.5
当初の最適購入量x’=5であるので、最適購入量の変化分Δx’は、
Δx’=5-2.5=2.5
参考記事 ⇒ 『予算制約線と無差別曲線』