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農工間不均等発展

農工間不均等発展とは、簡単に言うと農業と工業の経済格差のことを指します。具体的な定義については下部に記します。まずは、需要面と供給面から見て格差が生じる原因を説明します。

目次

・農工間不均等発展の需要面

1.農産物は、需要の所得弾力性が1より小さい値を取ります。

おさらいですが、需要の所得弾力性というのは、所得が1%上昇したときに、需要が何%上昇するかを表す指標です。

では、なぜ需要の所得弾力性が1より小さくなるのでしょうか。すなわち、なぜ所得の上昇より小さい割合でしか需要が伸びないのでしょうか。

なぜなら、農産物というものは単なる生活必需品であり、摂取量に限界があるからです(俗に胃袋の限界とも呼ばれています)。例えば、1ヶ月当たりの所得が10万円から100万円に上がったとしても、それに応じて食費を格段に増大させる人なんていませんよね。車などの奢侈品のように、所得が増加すればその上昇割合以上に需要が増大する財ではないのです。

2.農産物の需要の価格弾力性は、1より小さい値を取ります。

再びおさらいですが、需要の価格弾力性とは、価格が1%上昇したときに、需要が何%下がるかを表す指標です。

農産物は生活必需品で、日々消費しなければならないものなので、価格が上がったからといって簡単に需要を減らせるものではないからです。

また、需要の価格弾力性が小さいとき、農産物の需要曲線の傾きは急になります。需要の価格弾力性小さいとき、価格Pが大幅に下がったとしても、需要量はあまり増えないからです。グラフに描いて確認してみてください。

農工間不均等発展の供給面

.長期を要する生産で、生産の対象が作物なので、生産量は天候によって左右されます。

他の産業は生産の過程で天候の影響をほとんど受けることはありません。

まずこの点で農業は低比較優位性があります。

.農業は分業をすることが出来ないため、生産性に限界があります。

農業は有機生命体を育てるという行為であり、作業工程の前後関係の並列化ができません。すなわち、時間が経って作物が育たなければ次の作業に移れません。したがって、資本や労働の使用量は季節を通じて変化し、一定ではないので、生産性を上げにくいのです。

.農産物供給の価格弾力性は1より小さい値を取ります。

供給の価格弾力性とは、価格が1%上昇したときに、供給が何%上がるかを表す指標です。

なぜ、このような値をとるかというと、価格の変動に応じて数量を調整するのが困難であるからです。農産物は腐敗するものであり、生産したものはほぼ全て出荷しなければなりません。

また、供給の価格弾力性が小さいとき、農産物の供給曲線の傾きは急になります。供給の価格弾力性小さいとき、価格Pが大幅に上がったとしても、供給量はあまり増えないからです。

農工間不均等発展

需要面の2と供給面のⅢより、グラフを描いてみてください。傾斜の急な需要曲線と供給曲線が描けるはずです。需要曲線と供給曲線の交わる点、すなわち市場均衡点から縦軸横軸にそれぞれ下ろした線分で囲まれる部分の面積が農家の収入です。

ここで、豊作になって供給量が増大したとします。すると、供給曲線は右にシフトし、新たな均衡ができます。

さて、新たな均衡点における農家の収入と豊作になる前の農家の収入を比べてみてください。明らかに豊作になった時の方が、収入が少ないですよね。つまり、何らかの理由で効率良く生産できるようになったとしても、結果として収入が下がってしまうのです。これが俗に言う豊作貧乏というやつです。

非農業部門の場合は一般的にそれぞれの曲線の傾きは緩やかなので、供給曲線が右にシフトしたとき、収入は増大します。

このことが不均等発展の最大の温床となっているのです。

以上のことから農業は非農業に比べて不利な状態にあり、農工間不均等発展は必然的に起こるものであると言えます。

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